社員紹介(新卒採用)

都市・地域計画部
氏  名

Y.S.

入  社

2024年度【新卒入社】

専  攻

教養学部 アーツ・サイエンス学科 生物学専修

アーツ・サイエンス研究科 理学専攻 生命科学専修

所  属

都市・地域計画部

大学・大学院等での専攻およびご専門についてお教えください。

 大学・大学院では動物生態学を専門に、都市化が進?する地域において鳥類の生息環境や人に対する警戒心を理解することで、 逆説的にどの程度自然環境に介入し都市化を進める事ができるかを考える際の一助となるのではないだろうかという考えのもと、 鳥類の大胆さの指標としてFID(Flight Initiation Distance)を用いて、これに影響を与える要因について研究を行いました。
 大学では多摩地区に生息するモズ(Lanius Bucephalus)を対象に、繁殖期と非繁殖期における大胆さの違い、 およびFIDに影響を与える要因の特定の2つを研究課題として掲げ、重回帰分析による分析を行いました。
 大学院では多摩地区の都市公園に生息するスズメ(Passer montanus)やヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)といった都市鳥7種を対象に、 FIDに影響を与える要因の特定、および共存に適した都市公園の提案の2つを研究課題として掲げ、都市公園毎の傾向の分析を行いました。

自身の専門性を活かせた場面はありますか?

 近年、都市・地域では人工的な地被や建造物の増加により自然緑地が減少する一方で、人工林や自然公園が整備されるなど、 その自然環境はめまぐるしく変化しています。都市化が進行する現代において、人間の開発行為が都市・地域環境に与える影響は計り知れず、 まちづくりを考える上でも人と環境と生き物の相互の結びつきを無視することはできません。
 業務としては都市・地域における政策検討が中心であり、動物生態学や鳥類に関する専門性を直接活かせる機会は多くありませんが、 例えば都市における生物多様性の促進は「ネイチャー・ポジティブ」に挙げられるように国際的に重視されている概念であり、 特に緑地の総合的な評価を行う際には、研究で培った生態学的思考や考察を活用することができました。

プレック研究所入社後に活躍できた場面について教えてください。

 法定計画の策定やまちづくりは入社後に初めて関わった分野のため、進行に追いつくだけでも精一杯の毎日ですが、 業務にあたり生物に関連する調査が必要な場合には任せていただくことがあります。例えば地域特性に応じた農業振興策検討業務では、 地区の農的資源がもつポテンシャルを検討する上で、農地を生き物の生息・生育の場として評価した先行研究を調査し、 エコロジカルネットワークの形成や生態系健全度などを評価する指標を考案しました。
 また計画を立案するにあたり他都市の事例を調査することも多く、英語を用いて海外事例の調査を行うこともあります。

イメージ

都市の事例調査のイメージ

どういった現場や立場で働いており、どういった業務に携わっていますか?

 主に国や自治体から委託を受けて業務を行っており、具体的には近郊緑地特別保全地区等の樹林地整備方針策定業務や、 緑の多面的効果の評価手法検討などに携わっています。入社1年目での作業内容としてはGIS(地理情報システム)を活用した空間分析および図面作成、 他都市事例の収集、打合せ資料の作成、報告書作成支援、アンケートによる費用対効果の算出などが中心で、業務内容・作業方法ともに日々学ぶことの多い環境です。
 比較的オフィスでの勤務が多いですが、平均して月に3日ほど発注者との業務打合せや現地調査、ワークショップ運営による出張があります。
 他部署と共同して業務を行う機会も多く、植物調査室との危険木調査、緑地認証研究センターとの優良緑地確保計画認定制度審査支援、 世界遺産研究センターとの海外で開催される委員会への出席など、多様な業務経験をさせていただいております。