コラム

ウォンバットと出会える動物園

 みなさんは「ウォンバット」という動物を知っていますか。 モフモフでずんぐりとして、とても愛くるしい姿をしています。 カンガルーやコアラなどと同じ有袋類で、野生で彼らを見ることができるのはオーストラリアだけ。 大人の体長は最大約1m、体重は大きいもので30kgを超え、穴を掘る有袋類としては世界最大です。 夜行性で、草原、森林等に暮らしています。なんとウンチが四角い!一説によると、食物が、 腸壁の硬くて厚い箇所と柔らかくて薄い箇所を交互に時間をかけて水分を失いながら通過することで、 便に角と面が形成されていくようです。
 そんな可愛くちょっと変わった(見目麗しいとは言い難い?)動物は、 国内では池田市立五月山動物園と長野市茶臼山動物園の2園だけでしか見ることができません。 ウォンバットがオーストリア以外で初めて自然繁殖したのが五月山動物園。 姉妹都市であるローンセストン市(オーストラリア タスマニア州)から親善大使として1990年に来園したそうです。
 五月山動物園では、現在リニューアルの計画が進められており、弊社もその設計に参加しています。 ウォンバット舎のリニューアルに際しては、 彼らが本来の生息地での自然な暮らしぶりが再現できるような飼育環境が目指されているため、 現地では春にあたる11月にタスマニア島を訪れ、 広大な草原の中でのびのびと自由に暮らす野生のウォンバットの様子を実際に観察してきました。


 暑さが苦手なウォンバットは、日中は主に巣穴の中で過ごすため、 1箇所目の訪問地クレイドルマウンテン国立公園では、草地にたくさんの四角いウンチはあったものの姿は確認できず……。 一方、マリア島では、日中でもウォンバットの姿がチラホラ。 草地でひたすら草を食べているウォンバットを間近で観察することができました。 ですが、野生のウォンバットの巣穴は見つけることが難しく、 現地の動物園では、木の根元や石の影などに巣穴を掘っていたので、 草地には餌を食べに出てきているだけなのかもしれません。
 五月山動物園は2027年3月頃のリニューアルオープンを目指しています。 ぜひ、みなさんにも足を運んでいただき、ウォンバットたちとの出会いをお楽しみください。

クレイドルマウンテン国立公園

マリア島


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